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「タコ焼きっ!タコ焼きっ!!」 目をキラキラさせながら俺を 見上げている。 「お前は何してんだよ。 来るなって言ったよなぁ?」 俺はチビすけのこめかみに手を あてると、ぐりぐりと手を動かした。 「いたぁいぃ!いたぁいぃ!!」 ジタバタと手足をばたつかせて 抵抗するが、敵うはずもない。 「まぁまぁ、許してやりなよ。 これ、サービスね」 「え、良いっすよ」 俺は遠慮して返そうとした。 「やったぁ!!!」 「あっ」 …だが、隙を見て逃げたチビすけが受け取ってしまった。 「お前はぁ…」 「ごめんなさいぃぃ」 俺の怒りに気づいたのか、 チビすけはおじさんの後ろに 隠れてしまった。 「はっはっは!!! あんた達、仲良いんだねぇ」 「別に…」 (さっき会ったばっかだし。) 「これからも仲良くしな。 なっ!!」 チビすけは、おじさんの後ろから 俺を見ている。 俺の気持ちを探るようにして。 、
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