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地を這うような断末魔の叫び声。
麻衣はハッとして目を開けた。
咄嗟に息を潜めるが、時計の秒針の音がやけに大きく響いている他は、シンと静まり返っている。
「夢か……。」
そう呟いて麻衣は息を一つ吐くと、額に滲んだ汗を拭った。
いつの間に眠り込んでしまったのだろう……。
内容は覚えて居ないが、何だかグロテスクな夢を見ていたような気がする。
最近頻繁に見るようになった悪夢の理由に、麻衣は心当たりがあった。
まだはっきりしない頭で、自分の置かれた状況を確かめようと周囲を見回し、麻衣は青ざめた。
「いっけない!」
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