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慌てて立ち上がった拍子に膝を机の足に強打したが、そんな事には構っていられない。
ハッとして壁を見上げると、時計の針は早朝の4時20分を指していた。
夜勤中にも関わらず、もう4時間近くも眠り込んでしまっていたという事実が麻衣をぞっとさせた。
2時間置きの見回りをもう2回もすっぽかしている事になる。
「早く行かなきゃ。」
焦る気持ちを落ち着けるように口に出して言うと、麻衣は慌ててワゴンに物品を準備し始めた。
「……っ。」
不意に視界の隅に影が横切ったような気がした。麻衣は僅かに背筋が強張らせると、ゆっくりと顔を上げた。
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