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「あ……―っ!」
ガラガラと
重ねたトレーが崩れ落ちる
「賢志さん!?」
それに気づいたイチが
慌てて駆けよってきた
「何してるんです!
大丈夫ですか!?」
「ん、だいじょぶ…
ちょっと目眩しただけ…」
閉店後で、お客さんがいなくてよかった
イチの肩をかりて、近くの椅子に座らせてもらう
「う…ゎ、酔ってるみたい…」
視界がくらくらして
椅子に座ってても倒れそうになる
「しっかりしてください
目を閉じて、落ち着いて」
イチが閉じた目の上に手を当てて
優しく背中をさすってくれた
「イチの手、冷たくて気持ちいい」
「そうですか?」
「うん」
あ、なんとなく…、
「も、大丈夫」
イチの手をそっと外して
ゆっくり目を開けてみる
「どうです?おさまりました?」
「うん、ありがと」
、
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