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─「さぁ帰ろう」見慣れた景色
ありふれた日常に手のひら重ね─
ぽつりぽつりと歌い出す
エイトの曲である『マイホーム』
下を向きながら歌っていたアタシ、薄暗かったはずのの視界は真っ暗になってしまった。
不思議に思って止まる歌
─「おかえり」いつものように
両手広げて待っててくれる
ありのままでいれるマイホーム─
それなのに歌は続いていた。
頭上から聴こえる歌声は『自慢のおとん』である忠くんのもの。
パンツ見えてまうよなんて言いながらアタシの目の前に座った
「‥嫌やった?」
アタシの手にあるものを見ながら恐る恐る、やけどいつもの優しい声で聞いてくる
「嬉しい」
素直に答えるアタシに予想外やったみたいで忠くんは少し固まって(笑)
んふ、なんで泣いてたん?って目の下を親指でクシクシされる。
「泣いてへんし」
素直な愛華はまた隠れてしまったから見え見えの嘘。
嘘はあかーん。って忠くんにデコピンされて「えーんえーん」って嘘泣き
そんなくだらないやりとり。
「それいつ使ってくれる?」
楽しそうに問いかけてくる忠くんやけど
答えは決まってんねん!
「んふっ、絶対使ったらん!」
笑顔で言ってあげた
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