◇ 春、新学期

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菊川さんから忠くんに連絡あってから3分。マンションの前に車が停まってるのを確認して3人で外に出た。 風雅は忠くんが仕事やからってシゲが保育園に送ってくれたんやで。 車に乗ったら後ろの一番奥に丸ちゃんが寝てました。 「愛華こっち座りぃ」 「丸ちゃんの隣がえぇ!」 「そんな時間ないやろ!朝飯食わんと!」 真ん中の列に押し込まれるアタシ。愛音からはい、っておにぎりを手渡されて食べ始める。 お茶が入ったタンブラーまで用意してくれてて、さすがマイブラザー! 「あ、もう8時45分じゃん(笑)」「んはっ遅刻やね」 先生方の着任式が始まる時間やけど、アタシたちはまだ菊川さんの運転する車の中。あと少しというところで混んでてなかなか進まない。 「まあえぇやん、着任式なんて」 「良くないやろ(笑)今年度から山ぴぃが司会やるって言ってたで」 「なんではよ言ってくれんかったん!?菊川さん飛ばして!」 「いやいや、捕まるし(笑)」 「愛華こぼしてる」 「菊ちゃん無茶したらあかんで!?絶対無茶したらあかんでぇ!?」 「大倉さん何のフリっすかー」 そんな笑い話してる場合とちゃうし! 早く学校に行きたくて食欲無くなったアタシは2個用意されていたおにぎりを1個と半分食べて忠くんに押し付けた。 「おかかうまぁっ!」 _
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