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「ほら。ちゃんと布団被って。」
帰宅早々に俺は湊をベッドに横たえた。
まだ顔色が優れない。
浮かない表情のまま溜息をつき、湊は素直に一人ベッドの中へと潜り込んだ。
「…どこか辛い?」
ううん、と首を横に振り、天井の一点を見上げる湊。
「腹減ってない?」
「ううん。ちょっと喉渇いたかな。」
「んじゃホットミルク作ってくる。」
ガシガシ頭をなでて立ち上がると、ありがとうと嬉しそうに緩めた頬に、少し桜の色が戻ってきた。
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