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それで?と俺はベッドに肘を乗せ顎を支えながら、湊を見上げ尋ねた。
「どの位遅れてる?」
片手の指を折りながら慎重に数え、
「えと、…10日…、くらい、かな…」
と自信なさげに呟き、再び呆然と薬に視線を移す湊。
「10日…か。」
つぶやきを置き、湊の表情を厳粛な面持ちで覗いた。
湊の月毎のその周期が比較的規則正しかった事を、俺は認識していた。
湊自身も今となっては自分でその事を意識したのか、怯えるように見開いた瞳でじっと俺を見てきて。
不安、か。
そりゃそーだよな。
俺は苦笑いをこぼし、手を伸ばして湊の頭をくしゃりと撫でた。
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