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「へ、へぇ?そうなんだ…あの人、まだ学生さんみたいな雰囲気なのにね。」
「そうだよ、絶対新婚だよ!!なのにおかしくない!?ジロー先生となんであんな親しげなわけ!?」
カナは眉根を寄せて私の肩をユサユサしながらがなった。
「わ、私に聞かないでよカナ…分かるわけないじゃん!」
「そ、そうだけど…」
呟きながら、カナは居ても立ってもいられない様子で足元に視線を落とすと、顎に指を当て考えこんでしまった。
私は助け舟を出すつもりで言ってみた。
「先生の妹さんなんじゃない?親戚とか。」
「絶対ちがう!やりとりが、そんな雰囲気じゃなかった。」
うーん。
窺うように恐る恐る上目遣いにカナを見ながら、
「じゃさ、…やっぱ、…ジロー先生の奥さん?」
私の言葉にカナは全力で頭を横に振った。
「あり得ないって!」
「何で?そう考えるのが一番自然だって私は思うけ…」
「違うの!ジロー先生はまだ独身なの!絶対そーなんだから!トモカの意地悪!」
「…」
さすがにその自己中発言にはむっと来た。
「別に意地悪したくて言ってるんじゃないじゃん!」
するとカナは自分の失言に気付いてあわてて、ごめん、って謝って来た。
「でも、でもトモカー!きっと夫婦なんかじゃないよ?だってジロー先生は指輪なんてしてないもん!」
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