4.~ Side Tomoka ~

8/8
7903人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
「じゃあさ。思い切って告るしかないんじゃない?やっぱ」 カナはまん丸の瞳を剥いて、呆れ果てたみたいに言ってきた。 「トモカったら…。よくそんなことサラッと簡単に言えるよね…やだよ。そんでフラれちゃったら悲し過ぎじゃん!」 「だって、それしか道はないでしょ。当たって砕けろ、だよ!」 酷い。 ってカナは半泣きになってぶちぶち言い出した。 「他人事だと思ってぇ。彼氏いない歴16年のトモカになんて、失恋の痛手がどんなもんかわかんないのよーだ!」 「ちょっとカナ!マジで失礼過ぎ!」 私はかなり本気でカナの頭をバシッと叩いた。 「痛いなあもお!グローブみたいな手で叩かないでよね!?」 カナがお返しとばかりに私の首のマフラーをぎゅっと引っ張った。 そうこうしつつも、こういう自己中でわがまま姫なカナに付き合えるのって、私くらいだって自負もあるんだ。 そんな自分自身に振り回されてるハチャメチャなカナに、真っ先にブレーキを踏んであげられるのも、きっと私なんだなって。 「…分かった!今度思い切ってジロー先生に言ってみる。…そのかわり」 私のマフラーの端っこをぎゅっとにぎりながら、眉毛を曲げてカナは言う。 「もしフラれたら、パフェおごって。」 「はいはい。了解!」 ホントろくでもないけど、何か憎めないなあ。カナって。 私は溜息ついてから、苦く笑った。 .
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!