5.~ Side Minato -2 ~

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時刻が午後八時を回って、受付の橋田さんが一足先に帰宅し、診療の終わった整骨院はあたしとジロちゃんだけになった。 どはっと溜息つきながら、あたしが酷くノロノロと首にスヌードを巻いてると。 「…どーしたよ。マジで。」 低く心地よい声に振り返ると、診察着を脱いだジロちゃんが顔を曇らせてあたしをみていた。 いつの間に淹れてくれたのか、手にした二つのカップから、アールグレイのいい匂いが立ち込めている。 「あ、ありがと…ジロちゃん。」 「ん。ちょっとそこ座んな。」 難しい顔で、ジロちゃんがあたしの足元のスツールを視線で促し、 あたしは素直にそこに座った。 ジロちゃんも脇のサイドワゴンに紅茶を置き、向かいのスツールにゆっくり腰掛けて。 「話して。何悩んでるの?」 って優しく尋ねてくれた。
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