5.~ Side Minato -2 ~

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「うん。…」 目線をやや下に向け言い淀んでると、ほら。ってあったかいカップをあたしの手に持たせてきたジロちゃん。 ふぅ。と息をついてから、あたしは仕方なく顰め顔のまま話しだした。 「あの、…さっきの七里女バスの…」 「カナちゃんか?」 頷いて、ちろっと上目にジロちゃんを見てから。 「指輪、みられちゃった。」 ジロちゃんは端正なその顔の眉を片っぽだけキュッと曲げて、 「そう。…で?」 だから何?って、訝しそうに少し首を傾げた。 で、あたしはさっきよりもう少し声のトーン落として。 「人妻なのに、仲いいんだ、…ってツッコまれちゃった。」 「え!?仲いいってつまり、俺と?」 頓狂な声で言うなり、ジロちゃんはあははと大笑いしだした。 .
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