5.~ Side Minato -2 ~

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けど、数秒ほどして。 「…ワオ。」 不意に耳に囁かれる、掠れた感嘆の声。 恐る恐る顔を上げれば、目の前にある凛々しく強かな光を宿した茶色の双瞳に、咄嗟に竦んだ。 更にジロちゃんはただでさえキラキラの瞳に、ここぞとばかりに艶麗な笑みを含ませた。 「…みなとから誘われるなんて。明日は雹が降るかな」 くくっと喉を鳴らしながら言うジロちゃん。 いつもなら顔を顰めて、イジワル!って返してるとこだけど… あたしは火照った顔を横に振って、その逞しい首元にしがみついた。 「けどマジで…疲れてない?」 案じるように、さっきよりもう少し潜められた低い声。 平気だから。だからお願い。 って、請うようにジロちゃんの頬にキスをしたら。 長い溜息が耳をくすぐってきてそして。 「…知らないからな。…煽ったのはみなとだぞ?」 返された強かな甘い声に、 大きな肩にギュッとしがみついたまま、あたしは目を閉じゆっくり頷いた。─────── .
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