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「あ、お、おはようございます、主任。」
やや狼狽しながらも、あたしたちがそう挨拶すると。
「…何だ。始業10分前だってのに、お前ら二人だけかよ。」
尖った視線をあたしと景子ちゃんに代わる代わる配りながら、苛立たしげな声で丸井主任が言った。
確かにこれはかなり不機嫌そう…;
「…フン。まあいい。とりあえずお前ら、製品管理課の新資料、作成始めといて。」
「え、でも、始業時間までまだ…」
言いかけた景子ちゃんに、丸井主任の目がぎろっと向いて。
「・・・何だよ。」
明らかに不機嫌ボルテージを上げているらしき主任に、それでもあたしも景子ちゃんを弁護するべくおろおろと口を開いた。
「あ、あの、主任…まだ出社してない社員もいますし…朝のミーティングは…」
バン!
と手にしていたファイルの束で乱暴にデスクを打ちつけた音で、あたしは台詞を遮られた。
「…上司の俺がやれっつったらやるんだよ!!のろま!」
「は、はい!」
鋭い恫喝にあたしと景子ちゃんは考える間もなくそう返し、おたおたデスク上に資料を広げ始めるしかなくて。
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