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「…クソが。研修生の分際で。」
聞こえよがしに憎憎しげに悪態をつく丸井主任の言葉に胸が貫かれながらも、聞こえないフリをするので精一杯。
昨夜あれほど甘く優しくジロちゃんに愛されて。
今朝だってこれ以上ないって程の力強い言葉を貰って、
今日も一日きっと頑張れると思ってここに出てきたはず。
なのに。
出社していきなりの丸井主任のこっぴどい嫌がらせの応酬に、もう泣きそうになってる。
情けないけどあたし、…
だいぶキてるかも。
それぞれのパソコンに向かって黙々と資料作りをこなしながら、あたしは景子ちゃんに感づかれないようそっと涙を拭った。
そしてこの数時間後。
弱り目に祟り目って、ほんとにあるんだなってあたしは身を持って知る事になってしまった。
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