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「…何。月守さん。その目は。」
「…」
ククっと嘲笑いながら、丸井主任がデスクのあたしに近づく。
怒りに鼓動が急いで、顔が熱を持つのも判る。
でも、あたしは目を逸らさなかった。
「まさか・・・何か俺のやり方に文句でもあるわけ?」
周りにいた同僚たちが一斉に狼狽の顔をこっちに向けたのが分かったけど。
もう、黙っていられなかった。
「今日の主任がしてることは指導なんかじゃないです!ただの鬱憤晴らしです!」
「はぁ!?」
呆れたように声を上げた丸井主任の表情が、やにわに激高をはらんだ。
「今日だけじゃないです。いつもそうです…そんなことしてたらっ…」
「てめえ。自分の無能さ棚に上げて…オイ!立て月守!!」
あたしは丸井主任にいきなり乱暴に襟首を掴まれ、立たされた。
「お前のことは最初から気に入らなかったんだよ。」
微かな声でそう言いながらブラウスの襟を突き放し、上気した顔であたしを睨みすえた後。
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