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あたしのそんな咄嗟の出まかせにも、ジロー先生はサッと表情を引き締めて。
「マジで?また傷めたの?」
って。
「…え、…あ、いえ、そうじゃなくて」
先生はそのまま待合いに出てきて、であたしの目前に立った。
トモカはさっきよりもっと目を丸くし、ジロー先生を見上げた。
長身モデルみたいな体型の先生にまたびっくりしてるみたい。
「ん。ちょっとそこで足踏みしてみ?」
「あ、は、はい、…こうですか?」
あたしはスリッパを履いた足をパタパタと交互に踏み鳴らした。
ジロー先生の真剣な眼差しがあたしの両方の膝に注がれる。
トモカが居る横であたし、ちょっとドキドキしてきちゃった。
だって痛いなんてホントは嘘だったから…ちょっと後ろめたくて。
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