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主任によって乱暴に開け放たれた面談室のドアをくぐると、脅すようにバタンと勢いよく閉められた。
すぐにあたしの前に回って仁王立ちになり腕を組む丸井主任。
どちらかといえば線は細いしジロちゃんよりはずっと背も低いけど、それでもあたしよりは大きい。
緊張にゴクリと喉がなった。
「…言いたいことあるんだろが!さっさと言えよ。」
煽る様なイライラした大声で言う主任を睨み上げ、あたしはまっすぐ頷いた。
「主任のしてることは指導なんかじゃありません。ただの自分の鬱憤晴らしです。」
は。
とまた、嘲るようにため息をつき主任は口端をひきつるように持ち上げた。
「何俺の所為にしようとしてんの?無能なお前らがとろいだけだろうが!!」
「違います!みんなに出来もしない無茶な仕事押し付けてるじゃないですか。あんなのただのパワハラです!」
パワハラ、という単語に主任の頬が瞬間引き攣ったかと思うと。
「ふざけんなよお前。仕事は遅いわミスも無限大だわ、史上最悪にとろくさいお前がこの俺によくもそんな大それた指摘できたもんだよな!?
あ?」
掴まれた両肩に、骨ばった指が食い込んで痛みが走った。
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