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「痛っ…」
この上暴力まで…?
この上司はホントに、アリエナイ…
微かにそんな思いが頭を過ぎった時だった。
青白い丸井主任が、突如まるで悪魔みたいに歪んだ笑みを浮かべた。
「お前さ。マジでいい度胸してんな。…入社して間もないぺーぺーの分際なのに、即結婚したんだって?」
「・・・は?」
何言ってんだろう?…この人。
ってあたしは思わず怒りを手放して眉をひそめ、主任を見たら。
ニヤニヤしながらまるで嘗め回すみたいにあたしの全身に視線を配ってきてそして。
「学生気分が抜けねえどころか、ガキみてーな顔とカラダしてるくせに。よくも結婚なんて出来たもんだな…ククク」
「な、…」
投げられたその蔑むような台詞に、手放していた怒りはすぐにあたしに呼び戻された。
「何言ってるんですか!?そんなことあなたには関係ないじゃないで…」
「どうせダンナはとんでもねえオタクなロリコンなんだろ。あ~キモ!」
考えるよりも早く、右手が動いてた。
パシン、と乾いた派手な音を立てて、あたしの掌は丸井主任の左頬を打ち鳴らしてた。
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