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ドアに叩きつけられた右の肩に、火のような痛みが走った。
それに耐えながら唇を噛み締めたあたしの背中に。
歪んだ笑みを浮かべた主任が、叩いた側の頬をさすりながらまた、
「やめちまえよ…お前みたいなサルより劣る女社員、こっちが願い下げなんだよ」
って追い討ちをかけるような中傷を浴びせた。
次にはもう、ありえないほど派手に泣き声をあげながら、談話室から飛び出していて。
「ちょっ…みなとちゃん!?だ、大丈夫!?」
転がるようにして出てきたあたしに、同僚の誰かが引きつった声で叫んだのはわかったけど。
泣きじゃくりながら脇目も振らず、廊下にかけ出した。
もう、
この会社には居られないよね。
だって主任とやりあっちゃったんだもん。
ひっぱたいちゃったんだもん。
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