9.~Side-Jiro-3~

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遂に彼女は、その決定的な一言を口にした。 「フツーの恋愛じゃ物足りなくて、もっと大人でエロい恋愛の方がいいんでしょ?…だからあんな人妻とドロドロの不倫してるんだ…サイテー!」 「…」 したりと笑った俺を誤解し、 「あたし、ジロー先生のこと見損ないました!!」 と勝手に失望してくれる氷室カナに、俺は 「ストップ。」 と待ったをかけた。 悔し涙に喉をしゃくりあげてる彼女に、俺は静かに言った。 「なあ…あんな人妻って、“みなと”のことだろ?」 「!!」 俺の口から湊という単語が出た瞬間、彼女は肩を震わせた。 が、すかさずぶつける。 「キミ、そのことで、…みなとに何か言った?」 怒りを孕ませた涙目で俺を睨んで、氷室カナは言った。 「だって!サイテーじゃん!あんな若くてダンナさんが居る身なくせに、不倫するなんて!ジロー先生も、あのみなとって人も、二人ともサイテー!」 .
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