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「うん。…」
ぽわっとほんのり頬まで染めて同意してくれるトモカに何だか嬉しくなってきて、あたしはスツールの上で身体をジタバタ揺らして、きゃははとはしゃいだ。
「ってちょっとカナー。でもいくらあの先生がカッコイイからって仮病はまずいでしょ、やっぱり。」
トモカは眉根を寄せてあたしをそう責めて来た。
「け、仮病じゃないもん!あたしホントに最初は怪我して、ここに来たんだから…」
「でももう治ってるんでしょ?」
「ま、まだ、時々痛むもん…ホントだもん。」
トモカは顰め顔のまま溜息をついてクスッと笑った。
「カナったら、子供みたい。」
「そ、そーだもん。子供だもん!」
開き直って唇尖らせて言ってから、あたしは声を潜めてトモカに耳打ちした。
「だからこそー、オトナカッコいいジロー先生に惚れちゃったんだもん!」
「…よく言うよ」
ってトモカはまた苦笑しながらあたしの脇を小突いた。
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