プロローグ

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俺、真木魁偉に家族はいない。 みんな殺された。口封じのためにだ。 今、真木家は俺だけだ。今のところ “生き残っている” 。 なぜ俺は生き残っているのか ー。 その時、5年前の12歳だった俺は中学受験の為に塾に通っていた。だから一日のうちな大半は必然的に塾にいることになり、死を逃れることが出来た。 塾から家に帰ると目を疑うような光景がひろがっていたのは言うまでもない。 途方に暮れるなんてもんじゃない。 家中がめちゃくちゃに散らかって、家族が死んでいたのだから。 本当にこんな不幸があり得るのか、誰が、なんのために。 祖父母も他界していて完全に身内がいない。親戚との繋がりも皆無だ。 もちろん受験は諦め、児童養護施設に入れられた俺は家族との時間を思い返していたとき、気になることをふと思い出した。
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