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むかしむかしのお話。
あるお国にお妃様がいらっしゃいました。
線の細い、繊細で儚げな美しいお妃様。
しかし、お妃様は身体が弱く、今お腹にいる赤ちゃんを生んでは死んでしまうのではないかと言われています。
けれど、お妃様はやっと出来た大切な赤ちゃんだと言って生む事を決めていました。
「嗚呼、可愛らしい私の赤ちゃん。雪のように白い肌、黒檀のような黒髪、そして……何よりも鮮やかな赤い血の唇を持った美しい子に生まれておいでなさい」
お妃様はそうおまじないのように繰り返し、祈りました。
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