1章

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夕方、母ちゃんの配達が終わり、配達した住所の伝票を事務所でまとめ、本当はかなり疲れてるはずなのに、元気よく、「お疲れ様でしたぁ!」と事務所を後にする。 帰り道、「樹何食べたい?」と毎日母ちゃんは聞いてきた。 樹は「オムライスー!」と元気よく、言う。 樹が母ちゃんが作るオムライスが好きな理由は、二つあった。 一つは、愛情たっぷりの優しい味。 もう一つは、チキンラインをふんわりと卵で包んだ、その卵の上にケチャップで、「い つ き」と必ず書いてあるからである。 だが、世の中は厳しい世界であった…。
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