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校内は昼休みの真っ只中。梅雨入り前のうららかな気候に誘われて、廊下で談笑している生徒も多い。
そんななかをゴシップ屋の後ろについて歩いていれば、嫌でも注目を集める。
校則が緩い以外に特筆すべき点のないこの高校において、彼女は良くも悪くも一番の有名人だ。
露骨に好奇の視線を向けるものもいれば、身分制度でも働いているかのように慌てて道を空けるものもいる。
「視線が痛いな」
「そうねー。いつのまにかこんなことになってたなぁ」
皮肉を込めたのだが、ゴシップ屋は意に介した様子もない。
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