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 こういう場合、見返りがないほうが怖い。無垢の善意を信じられるほど子どもではない。 「やっぱり腑に落ちないな。なら、どうしてこんな赤の他人の面倒事に首を突っ込むんだ」 「楽しそうだから」  即答だった。  遊園地へ行く子どもに「なぜ遊園地に行くのか」と聞いてもこう答えるだろう。  ゴシップ屋の能力はこのうえない助力となるし、今は羅針盤になる情報がほしい。  すでに僕の中学時代の前科は抑えられているし、ここは素直に助力を請うべきかもしれない。  うまく情報収集をしてもらったあとは、ゴシップ屋に重箱の隅をつつかれる前に、内密かつ可及的速やかに解決してしまえばいいだろう。 「わかった。ただし、僕の方針には従って。遊びではないんだ」 「りょーかい」  破顔一笑。  本当、こうやって笑っているだけの快活な子なら、与えられる評価は違っただろうに。  ともかく、こうしてうちの高校に在籍するものならば僕が遊び道具にされているようにしか映らないであろうコンビが、人知れず結成されてしまった。
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