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 終業のチャイムが鳴った途端に教室を飛び出したゴシップ屋を慌てて追いかけ、なんとか下駄箱の手前で引き止めた。  今まで誰もこいつに「廊下を走るな」と教えなかったのだろうか。 「手伝ってもらうに……あたって……、遵守してもらうことが……いくつかある」 「んー、どんなことだい」  こちらは呼吸を整えてからでないと話すことができないというのに、ゴシップ屋は息一つ乱していない。体のサイズと馬力が合ってない。 「簡単なことだよ。まず、身の危険を感じるようなことがあれば、すぐに手を引くこと。あと、佐和子たちに対しても、怪しいやつがいたときでも、尾行なんて真似はしないこと」 「でも、犯人っぽいやつがいたら追いかけないと」 「危害を加えられでもしたらどうするんだ。それに、見ず知らずの相手が犯人だとは思えない。身体的特徴さえ押さえてもらえれば、それでいい」 「そうなの?」  ゴシップ屋は若干不服そうではあったが、いちいち自説をひけらかしたくはないので話を先に進める。
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