プロローグ

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 誰何するまでもない。この高校で最も警戒している人間の声くらいは、即座に聞き分けられる。  振り向くと案の定、同級生とは思えない幼さを残すクラスメイトの姿があった。  虹色のピンと三つ編みが特徴的なセミロングの黒髪。  ナイロール型の眼鏡は、鮮やかな虹色フレーム。  給食を目の前にした体育会系男子のような瞳。  ふっくらとした唇は、見事にUの字を描いている。  ゴシップ屋と呼ばれる女子生徒が仁王立ちで満面の笑みを浮かべていた。
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