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自分のことを過大評価して、些細な問題と大仰に向き合った中学生の日々。
探偵ごっこ。いわば黒歴史だ。
そんな過去の所業を知る佐和子は、僕に再び探偵ごっこをさせるために訪れた。
「なになに、どんな問題?」
まさに水を得た魚だ。ゴシップ屋の周囲にきらきらと輝く水飛沫まで見えるようだ。
彼女はどう嗅ぎつけたのか、探偵ごっこの断片を知っており、興味を持っている。
「さてね、自分で調べなよ」
今回の問題は、平平凡凡な一般人であるところの僕からすれば荷が勝ちすぎる。正直、ゴシップ屋にまで気を配っている余裕はない。
大体にして、とっくに推理の真似事からは足を洗っている。罪滅ぼしになると感じたからこそ、今回だけは請負ったのだ。喧伝するつもりなどさらさらない。
「ふーん、りょーかいですよ。名探偵さん」
ゴシップ屋は意味ありげに微笑み、気味悪いほど素直に背を向けて校内へ戻っていった。
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