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 佐和子の依頼を受けてから、三日。事は遅々として進んでいない。  教室で窓越しの代わり映えしない風景を眺めながら、どこから手をつけたものかと頭を悩ませる。  他校の出来事であるうえに、犯人は学外の人間の可能性もあるとのこと。  しかも、実体的な被害がないため、犯人の痕跡は皆無。  あくまで、佐和子が周囲の些細な異変から懸念しているに過ぎないのだ。  これでは動き始めたくとも、どの方向に初めの一歩を踏み出せばいいかもわからない。  そして本当のところをいえば、彼女との日々を否応がなしに思い出してしまうことで腰が重くなっている。それくらいは、認めたくはないことだけれど自覚している。
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