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魔界の中心に首を直角に曲げなければ見渡せない程の広く高い建物があった。
そこには3,000人近くの妖怪が生活をしていた。
その建物の中の住人は全て人型であり、皆が皆、容姿端麗であった。
「実に退屈だ…」
玄関フロアから入り、真っ直ぐ直線に突き当たるそこの部屋で一人の人物は、腰が沈む程の柔かな椅子に腰掛け、余暇を嘆いていた。
この世界の王、サタンである。
そう、一見何かの建造物に見えるそれはサタンの御殿であった。
サタンを含む3名以外は全て使用人である。
「こうも暇では身体が鈍ってしまうぞ…」
サタンは静かに目を閉じ、神経を集中させた。
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