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こうして神経を集中させる事で魔界全体の様子を把握する事が出来るのだ。 サタンの頭の中には今現在の魔界の状態が映像として映し出されていた。 「何も変わらぬ世界だな…あちこちで戦闘をし、また死人の数が増える」 魔界では殺し合い等、日常茶飯事だ。 彼等はそうして自分達の地位を築いていくのだから。 しかし、このサタンが何故これ程までに暇かと言えば、自分の支配下達に仕事を任せている為に、自分の仕事が殆どないからだ。 魔界に散らばった肉片を処理するのも、亡くなった者の魂を拾うのも、いらない人間を排除していくのもみんな部下の仕事であった。 サタンの仕事といえば、この世界の崩壊を守る事と手のつけられなくなった妖怪を始末する事くらいだ。 どちらもそうそう起こる事ではないため、日々こうして暇をもて余しているのだった。
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