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「…ほぅ……」 サタンは変わらない筈の魔界の情景を見ながらふと異変に気付いた。 「これは珍しい…」 サタンが見たものとは魔界に迷いこんだ人間の姿であった。 本来ならば、こうして人間が迷いこんでくるなどあり得ない事だ。 何故なら魔界にいる事ができるのは、生まれながらにして魔界の住人か、サタンが許可を得たもののみだからだ。 ましてや全く違う世界に迷いこむ事すら普通の人間ではありえない。 という事は、おそらく“見える人間” サタン達はそう呼んでいた。 普通、人間には魔界の住人の姿は見えない。 下等妖怪、上級妖怪、死神、悪魔全て関係なくだ。 それが、何らかの異変により、また遺伝により、見えてしまう人間が存在した。 たった今、迷いこんだこの人間も見える人間に相違なかった。
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