それでも恋をする

ラストＫｉｓｓ

街中で買い物中、仕事中の彼を見つけた。
テレビという小さな黒い箱の中で相変わらずのテンションで活躍している彼。
やはりその前には女の子の人だかり…。
中学生から大人までの幅広い年齢の人が群がっており、『カッコいいね』や『面白い人だね』なんて言いながら騒いでいた。

ソンナニ彼ヲ見ナイデヨ…

黒い心が私の中で渦を巻く。

アナタ達ノ物ジャナイデショ…
彼ハ私ノ物

『コイビト』という名の所有物。

私ノ物ナノニ何故ソンナニ見ルノ？
サイアク…ムカツク、ムカツク、ムカツク……………………………………‥・・・殺シテヤリタイ

そう無意識に思ってしまった自分に『はっ』と気づき、逃げるようにその場を後にした。