それでも恋をする

満月

『俺も今外に出た…ホント月綺麗だなぁ』

｢外に出たって…あんた友達は!!?｣

『気にしない②、ゲームに夢中で気づいてないから』

そう言った後、お互い夜空に見入ってしまい無言の電話が続いた。

『なんかさ…』

｢ん？｣

ポツリと彼が喋りだす。

『丸いね…月』

｢そりゃ満月だもん｣

可笑しくて笑いながら言った。

『黄色って言うか…』

｢ちょっと薄いレモン色してて｣

『凄く明るくて』

｢暗い夜にいる私たちを照らしてくれてて｣

『周りにいる星たちは』

｢お月様のお供みたい｣

『さすがお月様、家来いっぱいだね』

｢そうだね｣

そんな会話をしながら私はゆっくり目を瞑った。
彼が私の後ろに背中合わせで居そうな感じがしたから。
ホントは遠くにいるのに近くにいる感じがして嬉しかった。