game

15/16
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/260ページ
はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…………………… 「……何なんだよ…今日は………」 今日は本当についてない。…いや、ついてないだけでは納まらないくらい酷い日だ。 僕はただ、普通に生きたいだけなのに………。 僕は息を整えて、気持ちを落ち着かせる為に台所でよく冷えた麦茶を一杯飲んだ。 渇いた喉に冷たいお茶が通っていくのがわかる。 身体全体に染み渡る、祖母の手製の麦茶は僕に小さな癒しを与えた。 冷蔵庫に貼られた小さなカレンダーが目に入る。 「…ばあちゃん…俳句の日か…。」 祖母は元気な人で多趣味だ。 誰も居ない家で一人。 得体の知れない恐怖感を抑えるために、僕は家中の鍵を締めた。 窓も扉もすべて。 所詮気休めだとは解っていても、そうするしかなかった。 少し落ち着いて自室で着替えることにした。 ブレザーを脱いだ瞬間、内ポケットから何かが落ちたことに気付いた。 「なんだ?これ。」 それはDVDディスクのような円盤だ。 無地でどこのメーカーの物かも分からない。 何故こんな物が僕の制服から出てくるのかも分からない。 ただ一つ言えることは、僕の物ではないということだ。 僕は何気なく自分のPCにそれを入れてみた。
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!