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段々暴力に拍車がかかる。 堂島は時々、どこか憎しみの表情を漏らしている気がする。 遠藤は調子に乗って益々拳に力が入るようだ。 相変わらず名護は笑ってばかりで暴力に加わろうとはしない。 名護は実はこんなことしたくないのではないか? 二人に合わせているだけなのでは…… そんなことを思い始めた矢先、いきなり名護が立ち上がり須田に近づいた。 「お前らの見てんの飽きちゃった★それ、貸せよ♪」 まるで須田を玩具のようにそう言う名護は、須田の身体を持ち上げてフェンスの外側に放り出した。 須田は小柄で華奢ではあるが、名護も背は低いほうで須田と変わらないくらいなのに軽がると持ち上げる。 フェンスの向こう側の足場は僅かしかない……。 これは……流石にまずいんじゃ………… 「すだれ君飛んでみてよ!お前なら空高く飛べるだろう?!」 名護はあひゃひゃひゃと気持ちの悪い高い声で笑いだし、かなり興奮しているようだ。 イカレてる………! 「お、おい……流石に危ねぇって……。」 遠藤も名護の常軌を逸脱したその行為に恐れ始める。 堂島は不快そうな顔で黙ったままだ。真意は読み取れない。 どうしよう……どうしようっっ………!!! 目の前で苛めを越えた、下手をすれば殺人が行われようとしているんだ……! 僕はどうすれば良い?! 黙って見て見ぬフリ…? これじゃあ僕もあいつらと同じだ!! ………でも、僕にはあいつらから須田を助ける力も度胸もない………。 どうすれば………どうすれば………どうすれば……… 「ほら!早く飛べって!!」 ガシャーン!!!!
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