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鉄製のフェンスに何かが激しくぶつかる大きな音がした瞬間、僕の視界に須田が飛び込んできた。 「お、おいっ!行こうぜっ…」 「ちっ……つまんねぇ。」 風に煽られてふらついた須田の手を、僕が間一髪のところで掴んだのだ。 無意識だった。 咄嗟に動いてしまったのだ。 あの3人は屋上から去ったようだが、この状況からどうすれば良いのかわからない。 それ程力が強くない僕の細腕には、少年一人を引き上げる力なんて無い。 須田は黙ってぶら下がっている。 「くっ………そぉ………」 なんとか引き上げようと必死になるが、掴んでいるのもやっとで、僕の腕はそろそろ限界に近づいてきた……。 駄目だっ……! 手を離せば須田はっ……!! 「…………手………離しても良いよ…。」 「えっ?!な、何言ってるんだよ!こんなとこで死ぬなよ!」 「……もう良いんだよ。」 「何がっ……くっ……良いんだよ?!」 まずいっ…… 腕の………力が………… 「だから大丈夫だって。」 「僕が大丈夫じゃない!僕は人殺しになんてなりたくないんだ!!……あっ!!」 強い風が吹いてバランスが崩れるっ………! その瞬間、僕の手は須田を離してしまった…………。 「……そん………な………嘘……………でしょ………………」
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