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「うわぁっ!!」
へたばり激しく落ち込む僕を前髪の長い少年が心配している。
「す、須田!!!」
僕は何故か慌てて辺りを見渡した。
「ゆ…幽霊…?」
「そうだったら面白いよね。」
生きてる!!
須田が生きてる!!!
「よ……良かったぁ………。……………あれ?でも、どうして………」
「さっきのところ。見てみな。」
僕は急いで先程須田の最期の場所になるはずだったフェンスの下を覗いた。
「そこ。丁度玄関上の時計柱の上なんだよね。だから、すぐ足が着く位置に足場がある。」
………確かに、フェンスより少し下に人が乗れるような場所が在った……。
暫く唖然としていた僕に須田が話し掛ける。
「驚いたよ。君があんなことするなんて。とりあえず。ありがとう。君が助けなくても死ななかったけど。」
駄目だ……。
頭の中がぐちゃぐちゃでまとまらない。
須田は下に台があるのを知っていて………知らない僕はそれを助けようとして………手を離してしまったけど須田は台に着地し……また登ってきた……。
ここまでは良い。
「須田、お前もしかしてわざと……?」
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