死神の微笑う夜

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◆ 目の前に広がる光景は、まさに地獄だった。 家々は破壊され、かつて、『人』であった肉塊が無数に散らばっている。 一刻もはやく、目覚めて欲しい悪夢…… だが、これは紛れも無い現実だと、いまだ色濃く残る血の臭いが告げていた。 「……まただ。ここもやられてる」 ヴァンス・ヴェインは、苦々しく言葉を吐き捨てた。 彼がこの光景を見るのは三度目……しかも、ここわずか一週間足らずの間で、である。
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