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「これはまた、随分酷く『喰い散らかして』いますね」
辺りを見回しながら言ったのは、ジェイ・リー。
「止めてよ。『喰い散らかす』なんて言い方……」
リアン・クートが反論の声をあげる。
普段は気丈な彼女も、さすがにこの光景には耐えられず、出来る限り目を背けていた。
彼ら三人の冒険者は、この近辺に出没するという『悪魔』を退治すべくやって来たのだが、事態は予想を遥かに越え、深刻だった。
「とにかく、他の村にも行ってみよう」
「そうですね。状況からして、襲われてから、そう時間は経っていないようですし、追いつけるかもしれません」
「なんでもいいから、あたしは一刻も早くここを離れたいわ」
「……確かにな。よし、先を急ごう」
ヴァンスを先頭に、三人は足早に村を後にした。
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