それはまだ元の世界の話

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 そう宣言した途端、ぱあっと光り輝くような笑顔を向けてくる天使様。ま、眩しい……!! 「ほ、本当ですかっ!!」 「ええ、(変態という名の)紳士に二言はありません」 「一部発言に引っ掛かりを感じますが、何はともあれありがとうございます!!」  まるで子どものような笑顔を振り撒く天使様。  既に最初のイメージがかなり崩れている気がするが、それでも尚その魅力は光り輝いているっっ!! 「――あっ! まずいですね……」 「?」  いきなり顔色を焦燥に変えた天使様の視線は、俺の手に向けられていた。 「うおおっっ!!? なんじゃこりゃぁ!?」  俺の手には、異常事態が起きていた。  さっき天使様は存在が不安定だとかどうとか言っていた。  そのせいか、俺の両の手は幽霊とか亡霊のように透けていた。映画で見たことあるぞ、この表現!  とか言っている間に既に肘まできてるぅぅぅぅぅっっっ!!! 「思っていたよりも存在の崩壊が早いですね……今すぐ予定していた世界に転召させます!!」  天使様は虚空に手をかざす。それに対応して、俺の足元に青白く光を放つ幾何学模様の陣が展開された。 「ちょっ、おっぱい揉ませてくれるんじゃ「そんな時間はありません!」そんなっ!!」  酷いっ……! そんなの……あんまりだっ!!  俺は涙を流した。  ガチ泣きだった。
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