補導

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午前十一時。 多分、警察署内にいた一般人は社会科見学か何かだろうと思っていたに違いない。 ぞろぞろと警察署内の大部屋に案内されたクラス一同。 二人の刑事さんがいた。 竹内力……だ。 Vシネの帝王が無言で座っている。怖すぎる。 補導されたのは少年課ではなく○暴だったんですか? もう一人の刑事さんも普通じゃなかった。 哀川翔だ。 グラサンこそかけてはいないが、立ち振る舞いがそっくりだった。 『お前ら、そこ座れ』 哀川さんの指示に全員が即座に席に着く。 学校のどんな先生の指示よりも機敏だった。 『やれば出来る子』達だった。 『で? この中で幹事は誰?』 一斉にクラスメイトの視線がレントンに集まる。 ――へっ?? 『お前が幹事か。じゃあお前だけこっちこい』 ――は、謀りおったなっ! クラス全員で申し合わせたのか! 畜生ぉぉぉぉ。 無理矢理連れて行かれるレントン。 後で聞いたら、会計していたのがレントンだったので皆幹事だと思っていたらしい。 ――そんな馬鹿な。
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