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「幸太!避けて!」
「うわっ!何だよこいつは!」
私は何故こんな酷い状況にいるのだろう。
「なんで!?二体もいるの!?」
私達はBEと黄色い化け物から逃げていた。
この状況で幸いなのは龍平以外はまだ仲間が死んでいないことだ。
だけど…逃げ切られる自信がない。
何故ならどの部屋に入っても奴らが待ち伏せしているのだ。
私達は健太を囮にして逃げた後、三つの分かれ道があった。
私達は左の道に入って行った。
しかし、そこは地獄だった。
ひたすら長い廊下が続くだけで部屋を開ける度に奴らが待ち伏せしていた。
足は速くない化け物だけどまるで瞬間移動しているような感じであった。
そして今は開けるのをやめて走って逃げていた。
どれくらい走っているのかはわからない。
出口があるのも本当にわからなくなってきた。
「健太さえいればこの状況も打破できるかもしれないのに…」
「幸太…健太はあの白い化け物にやられたかもしれないのに今いない健太に頼らないでよ!」
「仕方ないだろ!いつまでこの廊下が続いているかもわからないし…それにあの化け物達だって足は遅い癖に執拗に追いかけて来るんだ!健太にも頼りたくなるよ!」
こうやって仲間割れしてもどうにもならないのに…健太助けてよ。
健太ぁ…
「あの…みなさんもう行き止まりみたいですよ?」
「えっ?」
先を見るともう壁しかなかった。
廊下はそこで終わっていた。
他にあるのは左右にある部屋だけだった。
「やばいよ!このままあいつらに殺されちゃうよ!」
「わかってるわよ!」
私達はどうすればいいのだろうか。
部屋に隠れていられたとしても奴らが部屋の前で待ち伏せされていたら間違いなく誰かは死ぬ。
私は武器を持っているけど、二匹も相手は無理だ。
幸太はこういうのは得意ではないって言っていたし、奏子も同じだし、百合川さんは銃を見ただけ怯えていた。
私だって銃なんてうまく扱えない。
「距離を徐々に詰めて来てるよ!」
「皆さん取り敢えず部屋に入りましょうよ!」
「百合川さん、何でそんなこと言えるの?」
「部屋に入ったら何か役立つ物があるかもしれないと思ったんです。だからそれに賭けてみませんか?」
「でもアイツ等が部屋で待ち伏せしていたら…」
「その時は廊下を戻って逃げればいいと思います。」
百合川さん落ち着いていた。
何で落ち着いているのだろうか?
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