館の化け物

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「健太、入るんだな?」 「あぁ…入る。」 東京ドームクラスの館の巨大な扉の前で5人の男女がいた。 「よし、行くぞ!」 5人の若者達は館に入って行った。 それが後に地獄を見るとは誰も予想はしなかった。 「何か広いねー」 「うわっ、かなり広いね。」 館の中は特別に豪華なものはなく、ただ物が置いてあるだけ。 玄関から広がる空間には誰か住んでいるような痕跡は見られない。 何故なら、本当に物が置いてあるだけだからだ。 どの道具も未使用の物ばかりである。 何故わかるのか。 どの道具も汚れがまったくないのだ。 綺麗に使われていたらそう見えるとかではなく、使用感がまったくない。 「なぁ…健太。今カチャッと音がしなかったか?」 「えっ…」 俺は半信半疑でたった今入った大きな扉のドアノブに手を掛けた。 ガチャガチャガチャガチャ。 ガチャガチャ。 開かない。 意味がわからない。 「どういうことだよ!ドアが開かない!」 「俺達は館に閉じこめられたのかよ!」 俺はこの異常事態を打破するためまずは落ち着くことにしよう。 まず龍平はいる。 次に七海もいる。 次に幸太もいる。 最後に奏子もいる。 誰もいなくなってはいない。 「なぁ…健太ぁ!」 「龍平少しは黙れ!いいか、ドアが開かない理由はわからない。けど、出る手段はあるはずだ。」 「健太、七海がトイレに行きたいってさ。」 「奏子…マジか?」 「うん。」 「…じゃあトイレに行くか。ここで立ち止まっても仕方がない。」 「ありがとね…健太。」 「気にするな七海。」 俺達はトイレに行くことにした。 「しかしこの館広いなぁ…トイレはあった。」 「あっ…本当だ。」 公衆便所のようなトイレマークがついた扉が二つあった。 男女に分かれて扉があった。 「とりあえず今のうちにしたい奴は今済ませろ。この館…何かやばい気がするからな…」 この館に入ってから少し俺は不安を覚えていた。 館から出れないからではない。 何か見られている気がするからだ。 「じゃあ…僕はトイレするよ。」 そう言ったのは幸太だった。 「…私も行く。」 あとは七海が言った。 「じゃあ二人とも待ってるから早く済ませてこいよ。」 二人はそれぞれ男女別のトイレに入った。
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