5人が本棚に入れています
本棚に追加
「チヲ…クダサイ」
「ん?」
俺の耳に何か聞こえた。
声?
「チヲクダサイ…」
「血を下さい?」
廊下から聞こえる。
嫌な予感がする。
まさかブラッドシャワーか?
…もしそうなら闘うより隠れた方が良さそうだ。
「おい!皆隠れるぞ!」
「どうして…」
「いいから!」
俺達はクローゼットに隠れた。
そう…このクローゼットには人がギリギリで3人しか入らないのだ。
俺はすぐに携帯でで御桜さんに電話した。
「…頼む出てくれ。」
プルルルッ
プルルルッ
「はい、もしもし」
よし出てくれた!
「聞こえて返事をせずすぐに行ってほしいことがある。」
「…」
「化け物が来る可能性が非常に高い。だから今すぐB班全員隠れてくれ。その部屋のどこかに。理由はあとで説明する!とにかく早く!」
「…」
ブツッ…
プーップーッ…
「大丈夫かな。」
するとこの部屋のドアがガチャッと開いた。
「チヲクダサイ…チヲクダサイ…」
と呟きが聞こえる。
それはまるで映画に出てくるような声だった。
そして次の瞬間…
シューッシューッ!
何かが溶ける音が聞こえた。
間違いなかった。
こいつはブラッドシャワーだ。
「チヲクダサイ…チヲクダサイ…ン?」
ブラッドシャワーは何か気付いたかのように足音がクローゼットに近づいて来た。
やばい。
もし開けられたら全員死ぬ。
頼む。
来るな来るな来るな来るな来るな来るな!
そして足音はクローゼットの前で止まった。
気付かれたのか?
もう無理か?
そんなことを考えていると足音は遠のいた。
そしてガチャと音共にブラッドシャワーは部屋を出て行った。
「…」
俺はクローゼット出ると心臓が爆発しそうだった。
「冗談じゃない…本当に死ぬかと思った。」
「やっぱりブラッドシャワーだったの?」
「あぁ…間違いなくな。」
俺は耳を澄ませると廊下から奴の足音と声はなかった。
すると携帯が震えた。
「ん…?」
携帯を開いてみるとメールが来ていた。
確認すると御桜さんからだった。
「化け物は立ち去りました…か。」
「御桜さんから?」
「あぁ…化け物は立ち去りました…だってよ。」
「良かった。」
七海は安堵した表情だった。
最初のコメントを投稿しよう!