終わらない悪夢

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「チヲ…クダサイ」 「ん?」 俺の耳に何か聞こえた。 声? 「チヲクダサイ…」 「血を下さい?」 廊下から聞こえる。 嫌な予感がする。 まさかブラッドシャワーか? …もしそうなら闘うより隠れた方が良さそうだ。 「おい!皆隠れるぞ!」 「どうして…」 「いいから!」 俺達はクローゼットに隠れた。 そう…このクローゼットには人がギリギリで3人しか入らないのだ。 俺はすぐに携帯でで御桜さんに電話した。 「…頼む出てくれ。」 プルルルッ プルルルッ 「はい、もしもし」 よし出てくれた! 「聞こえて返事をせずすぐに行ってほしいことがある。」 「…」 「化け物が来る可能性が非常に高い。だから今すぐB班全員隠れてくれ。その部屋のどこかに。理由はあとで説明する!とにかく早く!」 「…」 ブツッ… プーップーッ… 「大丈夫かな。」 するとこの部屋のドアがガチャッと開いた。 「チヲクダサイ…チヲクダサイ…」 と呟きが聞こえる。 それはまるで映画に出てくるような声だった。 そして次の瞬間… シューッシューッ! 何かが溶ける音が聞こえた。 間違いなかった。 こいつはブラッドシャワーだ。 「チヲクダサイ…チヲクダサイ…ン?」 ブラッドシャワーは何か気付いたかのように足音がクローゼットに近づいて来た。 やばい。 もし開けられたら全員死ぬ。 頼む。 来るな来るな来るな来るな来るな来るな! そして足音はクローゼットの前で止まった。 気付かれたのか? もう無理か? そんなことを考えていると足音は遠のいた。 そしてガチャと音共にブラッドシャワーは部屋を出て行った。 「…」 俺はクローゼット出ると心臓が爆発しそうだった。 「冗談じゃない…本当に死ぬかと思った。」 「やっぱりブラッドシャワーだったの?」 「あぁ…間違いなくな。」 俺は耳を澄ませると廊下から奴の足音と声はなかった。 すると携帯が震えた。 「ん…?」 携帯を開いてみるとメールが来ていた。 確認すると御桜さんからだった。 「化け物は立ち去りました…か。」 「御桜さんから?」 「あぁ…化け物は立ち去りました…だってよ。」 「良かった。」 七海は安堵した表情だった。
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