館の化け物

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そして俺が不意に横に振り向くと黒い巨大な何かがいた。 拳一個分の瞳。 毛はなくつるつる黒い肌。 人の形をしているが、頭が体より大きい。 顔は醜く歪んだ顔でこちらを愉快そうに見ている。 そう俺が出した結論は一つ。 未知の化け物。 「おいっ!皆逃げろ!」 「どうしたんだよ、健太ってなんだアイツは!!」 「えっ…何アレ。気持ち悪い。」 その化け物は俺達に歩いて近づいて来た。 ダン!ダン!ダン!ダン! 歩く度にダン!と轟音がなっていた。 とにかく化け物はこちらに向かって来ている! 逃げなくては… 「おい!七海と幸太トイレから早く出ろ!」 あの化け物はすこぶる足が遅い。 だが、このままでは追いつかれて何をされるかわからない。 「待って!今出るから!」 幸太はそう言って10秒後に出て来た。 「七海早く出てこい!」 化け物との距離までもう10mは切ってしまった。 「…ぅぅ、今出るからもう少し待ってよ!」 「いいから早く!じゃないと死ぬぞ!」 七海は30秒後に出てきた。 化け物との距離はもう3mになっていた。 「皆!走って逃げろ!」 俺達は走って逃げ始めた。 化け物とはすぐに距離は離れていき、俺達はなんとかして化け物を撒くことができたのだ。 「はぁ…はぁ…何だったんだ!あいつは…」 「ていうかここはどこなの?」 俺達は気付けば大会議室のような場所に来ていた。 「さぁな…この家どうなってんだ…」 「とりあえず僕たちは廊下を何回か曲がっているんだよ。それは確かだろ?」 「確かにな。そしてこの部屋に入ったな。」 「しかし…このまま出られない上に化け物に追われるとか笑えないだろ…」 「脱出手段を見つけなければな…」 俺は今いる部屋の辺りを見回した。 すると机の上に何か紙切れが置いてあった。 「これは…?」 見るとこう書いてあった。 この館には化け物がいる。 奴の名前はわからない。 しかし、奴は人を喰う。 このメモを見た奴はそのことは頭にいれて置いた方がいい。 「このメモ…もしかして俺達以外に来た奴のか?」 このメモを仲間に見せた。
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