館のもう一つの姿

5/9
前へ
/42ページ
次へ
次の瞬間‐ 大量のバー(ラインに合わせて叩く奴)が来たのだ。 普通のプレイヤーの即ゲームオーバーになってしまうだろう。 だが俺はできる。 「はぁぁぁぁ!」 リズム良く高速でギターコントローラーの弦を弾く。 全身全霊をかけて弾いた。 目で処理しきれないレベルになっていても俺はミスせず弾き続けた。 ギュィィィン!ギュィィィン! 「もはや廃人レベル…」 仲間がそう呟いた。 言われても構わない。 けど全員の命を危険に晒さない為に俺はガチでやらせてもらう。 「あぁぁぁぁぃぁぁ!」 腕が悲鳴を上げていた。 もげそうな痛みが来たがやめるわけにはいかない! そして曲は終わったのだ。 「スコアperfect!」 と言うゲーム機の声が部屋に響いた。 そして扉のワイヤーは解除され、ゲーム機のカードを排出する機構から何かの鍵が出て来たのだ。 「鍵?」 拾ってみると家の鍵のような物だった。 「取り敢えず…健太さんクリアしたようですね。」 「そうだな。ん?」 ゲーム画面には「next game」と表示されており、格ゲーのタイトル表示されていた。 「どうかしましたか?」 「まだゲームをやらないといけないみたいだ…次は格ゲーみたいだ。」 「格ゲー?」 「キャラとキャラが闘うアクションゲームだ。コマンドを入力して闘うんだ。」 ただそのゲーム名はゲーム界でも有名な玄人格ゲーだった。 名前はアストラル。 とてつもなく難しい格ゲーで普通の初心者にはとても楽しめない格ゲーである。 CPU仕様が鬼畜でかつ格闘判定がシビアであり、コンボにハマったらなかなか抜け出せない老舗の格ゲー会社のゲームである。 一部のマニアしか人気がなく、なかなか寄り付く者はいない。 「格ゲーですか…では私がやります。」 「ゲームやったことがないんだろ?大丈夫か?」 「なら健太さんなら出来るんですか?」 「いや…すぐに断念したよ。だってまったく勝てないからな…」 「なら私がやります。」 御桜さんはやる気満々で近くにあった格ゲー(アストラル)に座った。 スタートボタンを押し、チュートリルを見て御桜さんはすぐにキャラを選びゲームを始めた。 だが…選んだキャラは超上級者向けの「高野美紀」というキャラだった。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加