第5章

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「神無月って理事長に聞いてたほど怖くないね」 俺の顔を消毒しながらこいつはつぶやいた… 「おぃ…理事長になにを聞いた……」 まさか…あのことまで…… 「…………あ…えっと…」 「言え」 「………喧嘩が強くて、荒れてるって……あと…心に傷があるって…」 心に傷……… 「はっ…んなもんねぇよ…」 「…………なら…なんで哀しい目をしてんの…?なにか心に傷があるんじゃないの…?」 「ないっつってんだろ?!てめぇになにがわかるんだよっ!」 つい怒鳴ってしまう……… 「てめぇなんかに、親から捨てられた奴の気持ちが…」 ………あれ、なんで俺泣いてんだ………? あの事は、もう忘れたはずじゃ…… ……………………ギュッ…「?!」 俺はいつの間にか抱き締められてる… 「……………ごめん………神無月の事傷つけるつもりなんてなかった……ただ…俺が少しでもその傷を埋めたいと思っただけなんだ……」 人の温もりを感じたのなんて何年ぶりだろう………… こいつなら話しても大丈夫だと思った……… 「………俺の話……聞いてくれるか?…」 するとそいつはゆっくり頷いた………
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