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「神無月って理事長に聞いてたほど怖くないね」
俺の顔を消毒しながらこいつはつぶやいた…
「おぃ…理事長になにを聞いた……」
まさか…あのことまで……
「…………あ…えっと…」
「言え」
「………喧嘩が強くて、荒れてるって……あと…心に傷があるって…」
心に傷………
「はっ…んなもんねぇよ…」
「…………なら…なんで哀しい目をしてんの…?なにか心に傷があるんじゃないの…?」
「ないっつってんだろ?!てめぇになにがわかるんだよっ!」
つい怒鳴ってしまう………
「てめぇなんかに、親から捨てられた奴の気持ちが…」
………あれ、なんで俺泣いてんだ………?
あの事は、もう忘れたはずじゃ……
……………………ギュッ…「?!」
俺はいつの間にか抱き締められてる…
「……………ごめん………神無月の事傷つけるつもりなんてなかった……ただ…俺が少しでもその傷を埋めたいと思っただけなんだ……」
人の温もりを感じたのなんて何年ぶりだろう…………
こいつなら話しても大丈夫だと思った………
「………俺の話……聞いてくれるか?…」
するとそいつはゆっくり頷いた………
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